ナラタージュ。
最近触れたカルチャー。
・ナラタージュ。小説(ネタバレあります。)
大学生の頃に、途中まで読んで、そのまま積読になって読むことなく売ってしまい。
映画化されたとのことで、改めて買い直して読んでみました。
映画は見てない。
結果、このタイミングで読めて良かったなぁと思う。
高校の部活にOBとして行って、それがすごくキラキラしている感じとか、親と離れて一人暮らしする話、ドイツの話、この辺は恋愛の大筋と関係ないけど、このタイミングで読めて良かったなと思う。
全てのものにはタイミングがある。
島本理生さんの小説を読むのは初めてだけど、読んでいてとても落ち着く文章を書く人だなぁ、と思った。
読んでいて、ほっとするというか。
そして洋服の描写、情景描写がとても細かい。
この小説書かれたときはまだ20歳。。
どんな恋愛してきたんだろう。
人間のどうしようもなさ。
これは、高校時代の先生との、忘れられない恋の話。
ですが、私が印象に残ったのは、小野くん。
泉と付き合う前、音楽の趣味があって好青年で優しくて真面目で、安定感があって、、こんな子が近くにいたら好きになる自信ある。
付き合って、嫉妬に狂ってから、行為の無理強、別れ際に土下座させたり(本当にするとは思わなかったんだろうけど)、勝手に人の物を見たり、最低で、読んでて気持ち悪くなったし、こんな不安定な部分がある人と将来は考えられないけど。笑
でも同時に、一番切なさを感じたのは小野くん。この若さ故な感じが、なんともリアルに感じた。
実際、付き合う前は好青年だったのに、付き合ったあと、彼女のことが信じきれなくて、束縛したり、嫌なことをしてしまって、うまく行かなくなって別れる話は、リアルに大学生の頃くらいにはよく聞いた。
この、恋が人を狂わせる感じと、コントロールできなくなる感じ。
結局、相手を信じられないと恋愛は終わる。
でも……想像すると。
自分の好きな人(泉)が、好きな人(葉山先生)へのラブレターとツーショットの写真を持ち歩いてるんですよ。(勝手に見るのはだめだけど)
夜中に電話かかってくるんですよ。
夜中にかけてくる、てよっぽど親密じゃないとないだろう、て思っちゃうし。
都合の良いことだけ覚えてやってく、て決めてても、これは苦しい。
これで信じろ、と言われても難しい。
でも、変質者に追われてるときはちゃんと迎えにいってあげてほしい。
あとは、主人公と小野くんのゆっくりカップルになっていく感じがすごく好きでした。
付き合う前のシャンとした印象だったのが、ずっと一緒にいて深く知ると、無邪気だったり弱さを知ったり。
色んな一面があることが分かったり。
付き合う、てこういうことなんだなぁ。と思ったり。
葉山先生に対するみたいな強烈に惹かれる感情はないけど、一緒にいて安心できる感じ。
泉は小野くんのこと好きだったと思うけど、ただ、葉山先生への「好き」の種類が違うんだろう。
文章でも、小野くんといるときの語りと、葉山先生といるときの語り方、テンションが全然違うのが分かる。ベッドシーンなんてテンションが違いすぎる。
葉山先生と泉
主人公からしたら、そりゃあいじめられてるときに、優しくされて、フィーリングがあって…て好きになるでしょう。
年離れてても、男女とか関係なくても、なんとなく話しててバチッとあう、自分の言いたいことが伝わって、相手の思ってることが読み取れる、そういう人っていると思う。
しかも包み込んでくれるような、大人の優しさで。
自分にしか知らない部分を、教えてくれる。
葉山先生から泉への想いは、恋・・
というよりも、恋ではないけど、特別な存在、と感じた。
葉山先生もずるいけど
泉も充分にずるいし、結構魔性の女だと思う。笑
好きになった弱み、人のどうしようもなさ、なのか。
映画は、泉役に有村架純。
正統派で、落ち着いてて、ホワっとしてて。でも魔性なところもある泉に
合ってるんじゃないかなぁ。
小野くん役に坂口健太郎は、かなりしっくり。
背高くて何でもできそうで、でもどこにでもいそうで。
怒り狂う坂口健太郎が見たい。笑
いつか映画も見たいな。レンタルしよう。
ナラタージュ (角川文庫) [ 島本理生 ]
|